セーターは、編み物をはじめた人の多くが「いつか編んでみたい」と思う作品だと思います。僕自身も最初は「セーターなんてまだ自分には早い」と感じていました。でも実際に編んでみると、いまの作り方は思っていたよりずっと挑戦しやすいものでした。
この記事では、初心者でも編めるセーター・プルオーバーの海外のおすすめ動画を3つ紹介します。とじ・はぎがほとんどいらない「ラグラン」の作り方が中心なので、見た目のボリュームほど工程は難しくありません。あわせて英語の用語もまとめました。
なぜセーターは(今の作り方なら)挑戦しやすいのか
- とじ・はぎのないラグランなら、パーツを縫い合わせる工程がなく失敗しにくい
- 輪に編むので、ずっと表編み中心=メリヤス編みの繰り返しで進む
- 編みながら試着してサイズを直せる(トップダウン/ボトムアップとも)
「セーター=難しい」というイメージは、パーツを別々に編んで縫い合わせていた時代のもの。いまの作り方なら、帽子や靴下を編んだ延長で挑戦できます。
海外動画を見る前に|英語の編み物用語ミニ辞典
セーターの動画でよく出てくる用語です。
| 英語 | 日本語 |
|---|---|
| Sweater / Pullover | セーター(かぶりタイプ) |
| Cast on | 作り目 |
| Bind off / Cast off | 伏せ止め |
| In the round | 輪に編む |
| Top-down | トップダウン(襟ぐりから下へ編む) |
| Bottom-up | ボトムアップ(裾から上へ編む) |
| Raglan | ラグラン(斜めの切り替え線) |
| Yoke | ヨーク(肩まわり) |
| Increase / Decrease | 増し目/減らし目 |
| Stockinette | メリヤス編み |
| Ribbing | ゴム編み |
| Seamless | とじ・はぎなし |
| Gauge | ゲージ(編み目の密度) |
「top-down」か「bottom-up」かで編みはじめる場所が変わります。どちらも輪に編むので、輪針を用意しておきましょう。
初心者におすすめのセーター動画3選
1. Nimble Needles(ニンブル・ニードルズ)

Norman さんが運営する、オーストリア発の英語チャンネルです。スローで超丁寧な映像が持ち味で、初心者向けのボトムアップのラグランセーターを無料パターンと動画で紹介しています。大きなとじ・はぎがなく輪で一気に編める作り方で、編みながら試着してサイズを調整できます。
日本語ワンポイント:「bottom-up=裾から編む」がキーワード。輪針が必要なので、編み物超初心者が最初に揃えるべき道具5選も参考にしてください。
- 編めるもの:ボトムアップの基本のセーター
- こんな人に:とにかくゆっくり確実に、初めてのセーターを編みたい人

2. Sheep & Stitch(シープ・アンド・ステッチ)

カナダ・バンクーバー出身の Davina Choy さんが、2014年からサイトとYouTubeで発信しているチャンネルです。定番の「Everyday Raglan」パターンは、トップダウンの一体編みでとじ・はぎなし。作り目から伏せ止めまでを4本の動画で追える構成で、「初めてのセーター」向けのコースも用意されています。
日本語ワンポイント:「top-down=襟ぐりから下へ」「seamless=とじはぎなし」がキーワードです。
- 編めるもの:トップダウンのラグランセーター
- こんな人に:上から編んで、試着しながら進めたい人

3. VeryPink Knits(ベリーピンク・ニッツ)

アメリカの Staci Perry さんによる、編み物動画の定番チャンネルです。特定の1本というより、作り目・増し目・襟の拾い目といった基礎技法を1つずつ確認できる動画が豊富で、初めてのセーターやカーディガンの解説もあります。ほかの動画でつまずいたときに頼れる、技法の辞書のような存在です。
日本語ワンポイント:わからない工程が出てきたら、まずこのチャンネルで技法名を検索してみると解決することが多いです。
- 編めるもの:セーターに必要な各技法(増し目・ラグラン・襟の拾い目 など)
- こんな人に:1工程ずつ確実に確認しながら進めたい人
きれいに編むためのワンポイント
- 毛糸は並太〜極太を選ぶと編みやすく、目も見やすい(毛糸の基本も参考に)
- ゲージ(gauge)を取るとサイズが安定する。面倒でも小さく試し編みをしておくと安心
セーターに必要な毛糸の量と選び方の目安
セーターは面積が大きい分、必要な毛糸の量も他の小物よりぐっと増えます。目安としては、大人用の長袖セーターを並太の毛糸で編む場合、400〜600gほどが一つの目安です。ただしこれはサイズや丈、糸の太さによって前後する数字なので、実際に編もうとしている動画やパターンに書かれた必要量(海外のパターンならyardsやmeters表記のことが多いです)を必ず確認するようにしてください。
毛糸を買うときは、同じ色番号の玉でもロット番号が違うと、染めた釜が違うために色味が微妙に変わることがあります。できるだけ同じロット番号でそろえてまとめ買いし、念のため1玉多めに用意しておくと、途中で足りなくなったときにも安心です。
初めての1着には、明るめの単色で、並太くらいの太さの、ウールやウール混、アクリルの糸が編みやすいと僕は感じています。黒などの濃い色や、モヘアのように毛足の長い糸は編み目そのものが見えにくく、初めてだと目数を数えづらいことがあります。
編み始める前には、ぜひゲージを取ってみてください。セーターは編む面積が広い分、ゲージが少しずれるだけで仕上がりのサイズに大きく影響します。測り方や合わないときの対処法はゲージの測り方や合わないときの対処法をまとめた記事、糸選びの詳しい基準は初心者向けのおすすめ毛糸をまとめた記事もあわせてどうぞ。
編み上がったあとの仕上げ|とじ・はぎとブロッキング
すでに紹介した動画のように、トップダウンのラグランセーターは輪に編み進めるので、編み終えたあとの縫い合わせはほとんど必要ありません。脇の下に残した数目をつなぐか、小さな穴が空いていればとじ針で軽く閉じる程度で仕上がります。「セーターの仕上げは大変そう」というイメージがあっても、この作り方なら最後の工程もシンプルです。
一方で、前身頃・後ろ身頃・袖をそれぞれ平らに編んでから組み立てるタイプの作り方だと、肩は「はぎ」、脇や袖下は「とじ」でつなぐ工程が出てきます。肩線はメリヤスはぎ、脇はすくいとじで仕上げるときれいに見えることが多いので、とじ・はぎの使い分けをまとめた記事、すくいとじのやり方を解説した記事、メリヤスはぎのやり方を解説した記事もあわせて参考にしてみてください。
編み終わったら、糸端の始末も忘れずに。とじ針を使って、裏側の編み目に数センチほどくぐらせておくと安心です。表側に糸端が出ていないか、明るい場所で一度確認しておくと仕上がりがすっきりします。
最後の仕上げがブロッキングです。ぬるま湯にくぐらせて水通しをし、タオルで軽く水気を取ったら、平らな場所に置いて身幅や丈を測りながら形を整え、そのまま乾かします。編み目がそろってサイズも安定するので、面倒に感じても一度試してみると仕上がりの違いを感じられると思います。
よくある質問
Q. 初めてのセーターはどのくらいの期間で編めますか?
編む時間や毛糸の太さ、セーターの大きさによって大きく変わるので一概には言えませんが、週末に数時間ずつ編み進めるペースだと、1〜2か月くらいで編み上げる人が多いようです。平日にも少しずつ編めば、もっと早く仕上がることもあります。焦らず自分のペースで進めれば大丈夫です。
Q. 身幅や丈を自分のサイズに合わせるには?
まずはゲージを編み図の指定に近づけることが土台になります。そのうえで、トップダウンの作り方であれば、編みながら実際に袖を通して丈や身幅を確認できるので、途中で目数や段数を調整しやすいです。試着しながら進められるのは、いまの作り方ならではの安心なポイントだと思います。
Q. 途中で毛糸が足りなくなったら?
まずは同じロット番号の毛糸が手に入らないか探してみてください。どうしても同じロットが見つからない場合は、別ロットの糸を2段ごとに新しい玉と古い玉を交互に編むようにすると、色の差が目立ちにくくなじみます。予備の1玉を用意しておくと、こうした事態を避けやすくなります。
Q. 目数を間違えたことに途中で気づいたら?
気づいた時点でいったん手を止めて、間違えた段まで編み目をほどいて戻るのが基本です。不安なときは、目印になる糸(ライフライン)を編み目に通しておくと、ほどきすぎを防げて安心です。編み物のよくある失敗と対処法をまとめた記事も参考にしてください。
まとめ
| 動画 | 編めるもの | こんな人に |
|---|---|---|
| Nimble Needles | ボトムアップの基本セーター | ゆっくり確実に編みたい人 |
| Sheep & Stitch | トップダウンのラグランセーター | 試着しながら進めたい人 |
| VeryPink Knits | セーターの各技法(辞書的) | 工程ごとに確認したい人 |
セーターは、いまの作り方なら海外動画を見ながらでも挑戦できる作品です。気になった動画から試してみてください。
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