海外の可愛い編み物パターンを見つけて開いてみたら、英語がずらっと並んでいて「これ、本当に読めるようになるのかな…」と閉じてしまった経験はありませんか。僕も最初はまったく同じでした。でも実は、英語パターンにはほぼ共通した「型」があります。その型さえつかんでしまえば、あとは決まったパーツを順番に読んでいくだけなんです。
なお、この記事では「k2tog」や「dc」のような略語そのものの意味には深入りしません。略語がわからなくなったら、英語パターン用語&略語早見表をブックマークして辞書がわりに使ってください。この記事では、パターン全体の構成と、指示文の読み進め方に絞って解説していきます。
英語パターンの基本構成を知っておく
英語パターンは、作品ごとにデザインは違っても、載っている情報の並び方はだいたい共通しています。まずはこの「型」を知っておくと、初めて見るパターンでも迷いにくくなります。
| セクション名(英語) | 日本語での意味 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Materials | 材料・道具 | 使用する毛糸の太さ・分量、針のサイズ、とじ針などの道具 |
| Gauge | ゲージ | 10cm四方あたりの目数・段数の指定 |
| Abbreviations | 略語一覧 | そのパターン内で使われる略語の説明 |
| Special Stitches | 特別な編み方の説明 | そのパターン独自の技法・編み方の解説 |
| Instructions(Pattern) | 指示(編み方本体) | 実際に編み進めるための指示。パターンの中心部分 |
| Finishing / Notes | 仕上げ・補足 | とじ・はぎ、ブロッキングなどの仕上げ方法や注意点 |
すべての項目が必ず揃っているとは限りませんし、順番が前後することもありますが、「まずMaterialsとGaugeを確認して、そのあと本体のInstructionsを読み進める」という流れはほぼ共通しています。焦って本文(Instructions)から読み始めず、まずはこの型に沿って一通り目を通すのがおすすめです。
Materials(材料・道具)の読み方
Materials欄では、その作品を編むために必要なものがリストアップされています。主にチェックするのは次の3つです。
- 毛糸:太さ(weight)と必要な分量(gまたはヤード/メートル表記)
- 針:号数(US表記の場合が多く、mm表記が併記されていることも多い)
- その他の道具:とじ針(tapestry needle)、目数マーカー(stitch marker)、ボタンなど
針のサイズは US表記(US 7、US 8など)とmm表記が両方書かれているパターンも多いので、手持ちの針と照らし合わせるときはmm表記のほうを見ると確実です。
Gaugeの読み方
Materials欄の次によく出てくるのがGauge(ゲージ)の指定です。ゲージとは、編み地10cm四方に何目・何段入るかを示す数字で、これが合っていないと仕上がりサイズが大きくずれてしまいます。特にセーターやカーディガンのように「着るもの」を編むときは要チェックです。
ゲージの意味や測り方、合わなかったときの針の号数調整については、編み物のゲージとは?測り方と合わないときの対処法で詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。
サイズ表記とかっこの読み方
英語パターンでは、複数サイズが同時に掲載されていることがほとんどです。パターンの冒頭に「Sizes: S (M, L, XL)」のように書かれていて、指示文の中の数字もこの並び順に対応したかっこ書きになっています。
例えば、次のような指示があったとします。
Cast on 60 (64, 68, 72) sts.
これは「Sサイズなら60目、Mサイズなら64目、Lサイズなら68目、XLサイズなら72目、作り目をする」という意味です。パターン全体を通じて、かっこの中の数字は常に同じ並び順(この例ならS, M, L, XLの順)で対応しています。
読み始める前に、まず自分のサイズがS〜XLのどの位置にあるかを確認し、自分の数字にマーカーや蛍光ペンで印をつけておくと、指示文を読むたびに数え間違える心配がなくなっておすすめです。
Instructions(指示欄)の読み方
ここがパターンの本体部分です。最初は記号だらけに見えますが、ルールはそれほど多くありません。
指示行を分解して読んでみる
例えば、次のような指示行があったとします。
Row 1: *k2, p2; rep from * to end.
これは次のように分解して読みます。
- Row 1:1段目の指示であることを示す
- k2, p2:表目を2目、裏目を2目編む(k・pの意味は早見表参照)
- *(アスタリスク):くり返しの開始位置を示す目印
- rep from * to end:*の位置から段の最後まで、「k2, p2」をくり返す
つまりこの1行は「表2目・裏2目のくり返しを、段の最後まで続ける」という意味になります。アスタリスクは「ここからくり返しですよ」という付箋のようなものだと考えると分かりやすいです。
くり返しの記号・表現
くり返しの表し方には、アスタリスク以外にも角かっこ([ ])を使うパターンがあります。
[k1, yo, k2tog] 4 times
これは「[ ]の中の指示(k1, yo, k2togの3目分)を4回くり返す」という意味です。アスタリスクと同様、どこからどこまでをまとめてくり返すのかを示す目印だと覚えておけば大丈夫です。
「rep from * to *」のように、アスタリスクが2つ出てくることもあります。この場合は「2つの*にはさまれた範囲」がくり返しの対象になります。
目数チェックの数字
段の指示の最後に「(48 sts)」のようにかっこ書きの数字が添えられていることがあります。これは編み方の指示ではなく、「この段を編み終えた時点で目数が48目になっているはずです」という確認用の数字です。増し目・減目の段では特によく登場するので、自分の目数と照らし合わせて編み間違いに早めに気づく手がかりにできます。
よく出てくる指示表現一覧
k・p・dcのようなステッチの略語は早見表にゆずるとして、ここではパターンの「進め方」を示す表現をまとめておきます。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| rep from * to end | *の位置から段の最後までくり返す |
| rep from * to * | 2つの*の間をくり返す |
| [ ] + ○ times | [ ]内の指示を指定の回数くり返す |
| work even | 増し目・減目をせず、そのまま編み進める |
| as established | それまでの模様(パターン)の続きをそのまま編む |
| cont in patt | 模様編みを続ける(continue in patternの略) |
| AT THE SAME TIME | 別々の指示を並行して同時に進める |
| (○○ sts) | その段を編み終えた時点での目数(確認用) |
これらの表現は多くのパターンで共通して使われているので、一度覚えてしまえば別の作品のパターンを読むときにも役立ちます。
読み進めるときのコツ
構成と指示文の読み方がわかったら、あとは実践あるのみです。僕が実践している読み進め方のコツを紹介します。
1. 編み始める前に一通り目を通す
いきなり1行目から編み始めず、まずはInstructions全体にざっと目を通しておくと、パターンの流れ(増減が多いのはどのあたりか、模様の切り替わりはどこかなど)がつかめて安心です。
2. 自分のサイズの数字に印をつける
前述の通り、かっこ書きの数字は自分のサイズのものだけを追いかければOKです。パターンを印刷したりPDFに書き込んだりできる場合は、自分の数字に丸をつけておくと迷いません。
3. 段数マーカーやチェックシートで進捗を管理する
段数が多いパターンでは、今どの段まで編んだか分からなくなりがちです。段数マーカーを使ったり、紙に段数をメモしながら編むと、途中で中断しても再開しやすくなります。
4. わからない表現が出たらそのつど確認する
略語や表現を全部暗記する必要はありません。わからないものが出るたびに早見表やこの記事に戻って確認すれば十分です。編み進めるうちに、自然と読めるようになっていきます。
無料の英語パターンの探し方
英語パターンに慣れてきたら、無料パターンを探して実際に編んでみるのもおすすめです。
- Ravelry:世界最大級の編み物・かぎ針編みパターンのデータベースサイトです。検索時に無料パターンだけで絞り込むこともできます。
- YouTube:編み物・かぎ針編みの解説動画の概要欄に、無料パターン(PDFや外部サイトへのリンク)が案内されていることがよくあります。
英語動画そのものに慣れておきたいという方は、海外の編み物YouTuberおすすめ3選や海外のかぎ針編みYouTuberおすすめ3選から見てみるのがおすすめです。動画と一緒にパターンを見比べながら進めると、文字だけで読むよりも理解しやすくなります。
まとめ
英語パターンは一見すると記号だらけで難しそうに見えますが、構成はMaterials→Gauge→Instructionsという決まった流れがあり、指示文もアスタリスクやかっこのルールさえ分かれば怖くありません。略語が読めれば怖くない——それだけで、英語パターンへのハードルはぐっと下がります。
わからない略語が出てきたら英語パターン用語&略語早見表、ゲージで迷ったら編み物のゲージとは?を、そして編み物自体がまだ初めてという方は編み物の始め方|初心者が最初にやることもあわせてチェックしてみてください。少しずつ慣れていけば、英語パターンも自分の武器になります。

